仲真史、レコード屋の閉店に思う part.1
とうことで、みなさん御存知のように渋谷のレコード屋さんがかなりなくなっていっています。あの素晴らしかったレコード屋さんがなければ僕も存在しないと思うだけに、悲しすぎます。以前もちょっと話してるけど、いまの輸入盤屋のなにが問題なのか。実際当事者の立場として、また客として、はっきりとはこれまで書かなかった僕が普段から思っていることを書きたいと思います。こう言う事書くと、基本なんだか威張っているように思われるのが懸念されるのですが、みんなもわかってくれると思うので。ながいぞ~~~
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まず第一の問題点
『輸入盤の価格が安すぎる』
働いた人ならわかると思うので具体的な率は言いませんが、その率を聞いたIT関連の若社長が「輸入盤屋をやっている奴は、バカか?」と言いました。うちの親父にも「ボランティアか?子供のオナニーか?日本をオマエらは滅ぼす気か?クソ以下だな」とぼろくそに言われました。いまの率でみんながこのままやっていく気なら、もっと潰れるはずです。というかスーパー悪いことをやらない限り続けて行けるはずない。ブートとか。そうじゃん、ブートみんな作ったじゃん。こうなった理由をMP3のせいにするかもしれないけど、MP3への 移行が特にHIP HOPの人たちに多かったのは、もちろんNYC のHIP HOPのDJがMP3でDJをするようになった影響もあるけど(レコード盗まれるから)、ブートという偽物を売られていた彼らは、同じ偽物だったMP3の方でいいじゃん、って思うのは当たり前だったはずで、それが一番の原因なのは明らかじゃないでしょうか。
それはともかくボるとかではなく、僕ももう少しまともにビジネスを考えなければいけない。まずは一番のベーシックとなる通常の新譜の価格を普通の値段にし、そこからちゃんと利益を得るべきじゃないだろうか。UKではフランス盤の12インチが8ポンドくらい で売っている。8ポンドだと今日本円でいうと2,000円。日本だと安いところが1,250円、高いところでも1,600円くら い。UKは小さな海を挟んだ隣の国のを2,000円で売っているのに、何故輸送料も約6倍~10倍する地球の裏側の日本 の方が安いのか。他のお店はウチの知らないルートや方法をしっていて激安で仕入れているに違いない、と思っていました。しかし今回こうい うことになったということはそんなことはなく、ウチと条件は死ぬほどは違わなかったわけです(もちろん量などあって送料が安かったり、多少のディスカウントはあると思いますが、死ぬ程違うとは思えない)
良くバンドと直接レコードを売ってもらったり、それこそペドロのEDBANGERなどいろいろなレーベルと取引しますが、その際すべての人たちが「どれくらいで売る?だったら半分でどう?」と聞いてきます。そうなのです、最低倍の値付けをするのです。海外だと売る方もワカっています。ウチの商品をラフ・トレードに売った時もラフトレードは倍の値段をつけました。「だってこれは日本から来たスペシャル盤だぜ。何故安くうる必要がある?」と。ウチのスタッフが手で持って行ってしかも返品ありなのにです。倍だとボりすぎだろう。そう言うのはお客さんだと思いますか?違います。売り手である輸入盤店の人こそそう言われます。何故、倍でボっていると思うのでしょうか。僕は倍でも安い、自分達のやっていることに見合わないと思います。なぜなら、僕たちはコンビニとは違うのです。ラフトレードのスタッフがみせた「オレたちはスペシャリストだ」というプライド。僕らは何故コンビニより悪い率で売っているのか。ただなにも考えず安く売るのが「お客様のため」だろうか。それで潰れてしまったらお客様のためもへったくれもない。実際その仕事に見合った利益をしっかりいただき、そしてさらに品揃えを良くしていった方が「お客様のため」なのではないか。一番の問題は「お客様のため」という人に限って、お金はガマンして今月を過ごせば月末に入ってくるものと思っている事です。
僕は日本の輸入盤店がまともになるためには、12インチを2,000円で売らなければ無理だと思います。でも、そしたら売れない。恐らく僕がお客でも買うのに迷うことが多くなるかもしれません。でも本当に買わないだろうか。輸入盤は安いから買っているわけではないじゃない。もしかしたら買う量は減るかもしれません。でも同じ金額は買うはずです。するとどうでしょうか。率は高くしているのだから、店の利益率は増えるはず。さらに客としては買えない分、より欲求も高まることでしょう。仕事も頑張ります。相乗効果も期待できます。とにかく、あまり利益率のいいといえない服屋さんにしても、6掛け、直だったら3倍くらいで売るのが当たり前。しかも服は1万円以上くらいザラですから。レコードなんてその1/10。もっと取って当たり前。しかも新譜は生ものですから。なおさらなはずです。
もちろん、高くすればまったく買わなくなるお客様もいるでしょう。しかし、そのお客様は僕らにとって本当のお客様だったのだろうか。もし安いからという理由で買われるなら、輸入盤屋という特別な店にとってそれほど悲しいものはなく、その扱っている商品にも申し訳ないと、僕は思います。安いからウチで買う。そう思われて買われる商売をしているくらいなら、さっさと辞めたい。なんどもいうけど僕らはコンビニで働いているわけではない。この筋のスペシャリストなのです。あの店より高いけど、ウチで買ってくれる。そういうお客様に出会った時、僕は本当に感動するし間違っていなかったと確信します(セールは除く)
つづく。
-ESCALATOR RECORDS-仲真史
2007 12 11 [日記・コラム・つぶやき, 音楽] | 固定リンク

